Deeper & Deeper

深く、深く。

すわたび! ~前宮ラプソディ~

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さて今回は諏訪大社の中でも人気はないけれど人気の高い*1前宮です。


前宮とは?

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上社前宮はもともと本宮の附属とされ、「前宮」として本宮と対等になったのは比較的新しい時代(明治時代)です。
 しかしその歴史は諏訪大社の中でも特に古いとされており、縄文時代からの信仰を脈々と受け継いできた太古の社なのです。

信仰に関する詳しいことは後々書くとして、「縄文からの歴史」というのを念頭に置きつつ前宮を見てみましょう。

前宮は広い


前宮の駐車場から国道125号を挟んだところに大きな鳥居が建っています。ちなみに奥に見える石碑はかの東郷平八郎直筆のものだとか。

ここで前回の地図を見てみましょう。

鳥居があるのはちょうど「溝上社」と書かれている辺り。ここから「前宮本殿」までは結構距離があります。

目の前に見えるこんもりしたところにはかつて大祝の館があったらしいです。

最初の鳥居を通って緩やかな坂を上ると広場に出ます。

ここでかつて色々な儀式が行われていたのでしょうか。十間廊じっけんろうなどの重要な建物が残っています。右手には社務所(16:00以降無人)があります。*2


十間廊と御頭祭

その名の通り十間(=18m)あるのかは分かりませんが横に長い建物です。昭和に焼失して再建されています。

ここで行われる儀式でとても有名なのが「御頭祭」。

御頭祭(酉の祭)《諏訪大社上社の神事》
www.hesocha.com

かつて鹿の頭七十五頭が供物として捧げられたという(現在は剥製)、とても縄文時代な儀式です。

穢れを嫌う神道とはとても相いれないような儀式ですが、縄文のより原始的な信仰の様子を伺える興味深い神事だと思います。


ここは神社なのか!?

十間廊を後にして上へ登っていきます。空の色がとても嫌な予感……。

石段を過ぎて登っていくと脇には民家……。初見だとここで合っているのかと少し不安になりますよね。

かの伊勢神宮でもかつて宇治橋の向こうにも民家があったと言いますから、まあそういうものなんでしょう。

どうでもいいですが、疲れすぎて右の木片が人型に見えました。見えない?


前宮の不思議な世界観

時刻は15時半。やはり人は少ないですが、それがいいんです。

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ひっそりとたたずんでいる感じ、神秘的でありながらも開放的で大げさすぎない。私の大好きな神社です。

なんとかこの良さを写真で表現できないものかと思います。

でもそれ以前にブレ写真が多すぎるのが残念。

この扉や奥の本殿なんかはかつての前宮の姿を踏襲しているのだと思います。

とても良いです。

この瑞垣で囲われたところは「御神陵」。一説には諏訪明神の妻、八坂刀売神のお墓とされています。

なぜ死んだ神様が祭られているのかなど疑問はありますが、伊弉冉尊しかり神様の死生観は気にしたら負けです。


水眼の清流

先ほど登ってくる途中で横に流れていた側溝。あれは前宮の上から湧き出ている「水眼すいが」です。


御柱と水眼

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余計にこだわったため結局一時間近くを前宮で過ごしました。でも幸せな時間だった(^-^)

体力と時間があれば源流をさかのぼってみたかったな…。


OMBASHIRA COLLECTIONS

では御柱行ってみよう

前宮一之御柱

なぜか一の柱だけ変なアングルの写真しかないのでデータが分かりません。

前宮二之御柱

前宮に来てまず真っ先に目にする御柱が二の柱。奥に三の柱も見えますね。冠落しされた先端にあれがついてます。あれ……幣帛?

前宮三之御柱

前宮の周囲は普通に民家や畑が広がっているので、御柱が無いとどこまで神社か分かりません。まさに「境界」の役割を果たしているのです。*3

前宮四之御柱

前宮の中で一番寂しい柱はどれか……と聞かれれば四の柱だと思います。小さいとかじゃなくてこう、心理的な距離が遠い気がする(?)。

普通に正面まで行けますけどね。

前宮の柱はどれも近づくことができます。真正面から見るときれいな柱が多いですね。

裏から見えるとこんな風に引きずられた跡が生々しいですが。


さらば前宮、また逢う日まで

さて、本宮に戻ろう。

と思ったら案の定…

降ってきました。

折り畳み傘一本でこの土砂降りの中本宮まで行くのはちょっと……

しばらく十間廊の近くで雨宿り。

今この場所には自分しかいないと思うと少し不思議な気分。

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雨は降り続けます。

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ここは雨が当たらないことに気付く。


しばらく待っても雨が止む気配はなかったので、仕方なくタクシーを呼びました(はじめからそうすれば良かった)


前宮という神社

ここまで見てきた中で前宮の魅力と思われるものがいくつかでてきました。

  • 縄文時代の色を強く残している
  • 境内に境がなく開放的
  • 水眼の清流
  • 基本的に人が少ない

このように諏訪大社の中で一番「観光地」っぽくない、神社本来の姿(と言っても一般的な神道神社とは違いますが)が見られる場所なんだと思います。

そして境内にある御神陵や守屋山にある古墳の謎といったミステリアスな部分も多い神社です。

そんなところがまた魅力的なんじゃないかなと思います。

なにより、ここに訪れたときに感じる不思議な心地よさが好き。

機会があれば、また訪れたいです。



大晦日の前宮なんかも行ってみたいですね。

*1:巫女さんに人気があると聞いたことがあるけれど実際はどうなのでしょう?

*2:なのでこの日は御朱印もらえず

*3:とは言いつつ十間廊の辺りも「前宮」なんでしょうが

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